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彼は疲れていた。 何が彼をここまで疲れさせるのか、それはきっと彼にしかわからないだろう。 ただ目に見えて分かる事といえば、彼が非常に疲労しているという事だけだ。 春の兆しが近いといえど、まだまだ夜風は寒い。 ロングコートに首を埋めて、寒さを凌ぐ。 時折背に走る冷たい風に震えを抱きながら、彼は帰路を急いだ。 遠くで犬が吠えているのが聞こえる。深夜の住宅街。 ぽつぽつとある街頭が、暗闇を更に暗いものとしているように思える。 まだ遠い我が家への道を思ってか、彼はため息を一つ漏らす。 時計の針はまもなく0時を指そうとしていた。 ふと立ち止まった彼は、その場で空を見上げた。 何を思い、どういう心境でそんな行為に出たのか、それは彼にしかわからない。 闇夜に息が白く漏れた。 星は出ていない。いくら中央から離れた場所であっても空は濁っている。 申し訳なさそうな程おぼろげに、月が浮かんでいるのが確認できるだけだ。 だけども彼は空を見上げたままその場を動かない。 黙ってじっと立ち尽くしている。 しばらくそうしていたが、ひゅうと吹いた風に押されるように再び歩き出した。 何かを想い耽るには、この夜は冷たすぎるのだ。 続きを読む。 #
by unnyo8739
| 2006-01-20 18:09
| 僕俺私小話
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相も変わらず固定の三人でゲームをプレイしている。 それはそれで非常に面白いため、まったく問題なくプレイしていた。 しかし昨日の事だ。 とある地方に辿り着いたとき、ともにパーティを組まないかと叫んでいる人がいる。 そこで、たまには見知らぬ人ともともに冒険をしてみようという話があがった。 私たち三人はスカイプで会話しており、チャットを使用せずゲームを進行させている。 しかし、ここで見知らぬ人を入れるということは、 チャットをメインとしてゲームを進めるということとなるのだ。 通常のゲームであれば、これは当然の事であるのだが、 このゲームのチャットは微妙に使いづらい事もあり、些細であるが戸惑いを覚えた。 結局その人を誘ってみた。 「うほ、チャット新鮮」などと叫ぶ電波兄弟。 流石にチャットをしながら会話をすることは難しいらしく、 スピーカーの奥からカチャカチャとキーボードを叩く音が聞こえる。 まさかパーティに入ったこの人も、こちらが全員スカイプで会話しているとは夢にも思うまい。 流石にゲーム中は、ほぼ終止チャットでプレイしたが。 続きを読む。 #
by unnyo8739
| 2006-01-20 16:28
| ゲヱムあのよろし
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先日芥川賞、直木賞の発表があった。 芥川賞に絲山秋子氏、直木賞は東野圭吾氏ということだそうな。 下記にあるのが、植木賞を受賞した東野氏の本である。 容疑者Xの献身 東野 圭吾 / 文藝春秋 芥川賞の絲山秋子氏は、勉強不足な事によく知らないのだが、 東野氏は私の大好きな作家さんである。 推理小説作家さんなのだが、推理小説で植木賞って珍しいんじゃないだろうか。 それともそうでもないのだろうか。 その辺はよくわからないが、好きな作家さんが賞を取るのは、 何となく自分も嬉しかったりするから不思議だ。 好きな作家さんであるから、勿論全ての作品を読んでいるかといわれると、実はそうではない。 実際私が読んだ事があるのは、彼の全ての本のうちの四割程度なんじゃないだろうか。 発刊している全てを読破するには、量がちょっとばかり多くなってしまった。 更に付け加えると、賞を取った新刊すらまだ読んでいない。 購入している事は購入しているのだが、ハードカバーの本は読みづらいのだ。 鞄に放り込むにも電車で読むにも多少大きい。 こんな事を言っていたら作家さんに怒られそうな気もするが、事実は認めるしかないのだ。 それこそ推理モノのラストで犯人が犯行を認めるときのように。 つい昨日の事だ。 賞を取ったこの本を、いよいよ読んでみようとベッドの近くに置いていたのだが、 そのまま読む事無く寝入ってしまった。 そして深夜。 用を足しにベッドを降りたとき、思い切り件の本を踏んでしまった罠。 ごめんね! 東野さん、ごめんね! #
by unnyo8739
| 2006-01-20 15:34
| 日誌叙情駄文
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