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最近ゲームボーイアドバンスにて、ファミコンミニなどと銘打って 遥か昔に発売されていた、レトロゲームが人気なようだ。 それらは私がだいたい小学生低学年の頃のものが多い。 当時のゲームは、今あるゲームよりも遥かに難易度が高く、 かつ不親切な設計がされているものも多々あり、 本当にクリアできるのだろうかと疑問に思ったものも多い。 私には丁度年齢が一つ上に当たる親戚がおり、 正月だったこともあり、昨年久しくその親戚の家に遊びに行ったのだが、 彼は未だファミコンを所持していた。 といっても、一応型はリニューアルされたバージョンのファミコンであったが。 しかしソフトは当時のものをまだまだ沢山所有している。 懐かしさもあって早速それをプレイして遊ぶことにした。 改めてこの年齢に達してからプレイしてみると、 当時は凶悪そのものであったゲームであっても 意外とさくさく進めてしまい、ただ単に小学生であった私達の、 技術不足によるものであったように感じる。 私はスーパーマリオを未だクリアしたことがないので、 今のスキルなら簡単にクリアできるものと思い、二人でプレイしてみた。 見事二人とも撃沈。 8-2にてゲームオーバーとなってしまう。 無限増殖などのやり方も知らないから、 何度か死んでゲームオーバーとなれば、もう一度最初からやり直しだ。 三度ほど挑戦してみたが、結局8-2は強大すぎる壁であった。 しかし、改めてプレイするファミコンはとても面白く、 手元にあるソフトだけでは物足りなさを覚えてきた。 そしてついに近場のゲーム屋などを回る、 レトロゲーム捜しの旅に出ようという話になったのである。 正月そうそうファミコンとは、我ながら実におめでたいが、 一度火のついてしまったこの勢いは、誰にだって止める事は出来ない。 とりあえずもっとも活用しているゲーム屋へと足を運んでみることにした。 最近は私達と同じようにレトロゲームを楽しむ人がいるようで、 少し大きめのゲーム屋であれば、大抵ファミコンも売りに出されている。 勿論当時のまま綺麗に保存されているものは少なく、 大抵取り説がないのは当然、箱もなく、裸で売られているものが多い。 よくよく見てみると、裏に名前が書いてあった後もあるゲームもあり、 全盛期時代は絶対売れそうにないゲームであっても、 普通に売られているのには驚きを隠せなかった。 しかし、何と言ってもほとんどが自分達がプレイしたものばかり、 人気ソフトはやはり売られている数も多い。 ある種有名なソフトなどは、やはり高く、 その値で新作のゲームが買えるのではないかというような勢いである。 いくつかプレイしてみたいものもあったが、そこは金銭的な問題で 泣く泣く諦めることにした、お年玉をあげる方になった年齢なので 正月はどうしても金欠になりがちなのが悲しい。 しかしどうせプレイするならば、有名ソフトよりももっと誰も知らないような ソフトの方がいいのではないかという話になり、 さらに遠出してみようという話になった。 さすが自分達が車を運転できるようになれば、おのずと行動範囲も広がるものだ。 車にて走ること、約1時間。 また大きめなゲーム屋が見えてきた。 私はその辺りの土地勘がまったくないので、捜索は親戚任せである。 「とりあえずここは結構な量のファミコンが売っていたと思う」 彼の言葉どおり、そこはかなりの量のファミコンソフトが置かれていた。 しかし、見回してみれば、先に行ったゲーム屋とほとんど変わらない。 しばらく今度の動静について話すが、結局今回はここで諦めることとし 一度帰宅することにしたのである。 そして小一時間ほどかけて帰宅した私達、 いまだにファミコンをプレイしたいという情熱は失われていない。 こうなったら今手元にある、まだクリアの出来たことのないゲームを クリアしていこうじゃないかという話になる。 そしてどれをプレイするか思案した末、なつかしの仮面ライダー倶楽部を プレイし、クリアしてみようということに決まった。 このゲームはアクションRPGの部類に入ると思われるのだが、 セーブの機能はない。 3人の主人公ライダーがいるのだが、それらを1つクリアするのにも だいたい2時間弱、下手をすればもう少しかかる可能性もある。 だが、セーブの機能はない。 もしうっかりライダーが力尽きてしまえば、もしうっかりレベルが低いときに 強めの怪人と遭遇してしまえば、そこでゲームオーバーである。 そうなれば、最初からやり直しになってしまう。 セーブ機能がないから。 つまり、一度始めたら、クリアするまで、ファミコンをつけっぱなしにしなければならないのだ。 我らとしては、物凄い挑戦である。 下手をすれば、正月を丸々このゲームに預けてしまう羽目になりかねないのだから。 何度か起動させるも、なかなか起動しない。 このまま流れてしまうのかと思ったところ、やっと起動を始めた。 大昔に聞いたあの音楽が流れる、二人して懐かしい気持ちになった。 さあ、賽は投げられた。 1時間が過ぎ、2時間が過ぎて、やっと最初のライダーをクリアする。 これくらいの時間であれば、ちっとも問題ない。 むしろクリアにより高まるテンション。 外はすっかり暗くなり、ここで最初の休憩が取られた。 軽く食事を取り、再びテレビの前に構える私達。 そして再び挑戦すること3時間、始まってから計算すると約5時間か6時間後 やっと二人目のライダーをクリアする。 この辺りで二人とも物凄い疲労感に襲われていた。 時刻は既に深夜を指している。 その日はここで一度休憩ということになり、 うっかり蹴飛ばしてしまわないように注意しながら眠る。 彼はキリのいいところまで頑張ってみると言うので 私は先に休ませてもらうことにした。 夜中に私は尿意を覚え、用を足そうと目を開けてみたところ 彼は未だ延々とプレイしていた。 物凄い体力だと驚く一方で、もしかして馬鹿なんじゃないかとも感じてしまった。 「見てくれ、やっと3人目のライダーが終了したところだ」 確かにキリはいいが、よく集中力が続いたものだと感心する。 私は用を足して、再び眠りについた。 そして翌朝。 目覚めてみれば、ゲームはまだ続いていた。 よかった、蹴飛ばすことなく翌日までゲームを持ち越せた。 「おはよう」 親戚が言う、手にはコントローラーがある。 あそこまで起きていたのによく早起きできたなと私が問うてみたところ、 「寝てない」 正月を本当にこのゲームに費やす気なのだろうか。 そしてその後にこういった。 「このゲーム、頑張ったけどクリアするの無理、切っていい?」 眠らずのプレイをしてここまで来ながら、自ら終了宣言が提案されてしまった。 私も流石にそれを見てある種呆れを感じていたので、それに了承をしたその時、 その言葉を聞いて安心したのか、眠るようにファミコンが停止。 そのまま奇妙な画面へと変貌し、止まってしまうファミコン。 偶然だろうが、そのあまりの出来すぎた状況から ファミコンにも意思があるのだなあと思わざるを得なかった。 私達の青春を支え、そして今回も老体に鞭打って健闘してくれた ファミコン閣下に敬礼!
by unnyo8739
| 2004-09-02 16:24
| ゲヱムあのよろし
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