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前回のあらすじ。 捕まえたペゼツキーが生意気にも反撃してきてテウィちゃん昏倒。 ふぇんさん&テウィちゃん。その3 「この小娘は俺の破壊力ばつ牛ンの一撃を喰らったからもう致命的な致命傷。お前らはあまりにも調子に乗りすぎでしょう? 仏の顔を三度までという名セリフを知らないのかよ! バラバラに引き裂いてやるから覚悟しろ!」 「ウヒョッウヒョヒョッウヒョッピッ」 ふぇんさんは声にならない悲鳴をあげた。 「俺は不良だから喧嘩も強いしバイクもヘルメットかぶらないで乗る」 指を鳴らしながらふぇんさんへと一歩一歩近づいていくペゼツキー。 ふぇんさん「……う、うわあ……ああ……ああああああああああ(その辺をのたうち回る)」 ペゼツキー「どうかしましたか?」 ふぇんさん「ああ、あふゥッ……ひいいい……ガクガク(足が震える)」 ペゼツキー「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっと力が強いだけですから」 ふぇんさん「ああ……あ、うんっ、ああ……ビクンビクン(小水を漏らす)」 ペゼツキー「ちなみに魔法も使えます」 ふぇんさん「あんっ! ああん……らめ……もうらめえ! ビクンビクン(射精する)」 いよいよふぇんさんにペゼツキーの何か力のこもった拳が届こうとした瞬間。 ペゼツキーの頭が大きく爆ぜた。 「ウボァー」 悲鳴を上げて勢いよく倒れこむペゼツキー。 「!?」 驚きおののくふぇんさん。これもペゼツキーの技の何かなのだろうか。 腰が抜けて全く動く事が出来ないが、何とか状況を把握しようと辺りを見回してみる。 「て……、テウィさん!?」 「ふぇんさん、危ないところだったっすね」 にやりと笑うテウィちゃん。 「だ、大丈夫だったんすか!?」 「さっきはちょっとふいを喰らって頭をぶつけただけっすよ」 再び縛り上げられるペゼツキー。 今回は先程よりもより強力に魔法を帯びたロープを使っている。 ペゼツキーがどれだけ強い力を持っていたとしても、簡単には引きちぎる事が出来ないだろう。 「これでよし、と」 「こ、今度は油断しないように警察に引き渡するお」 ふぇんさんは思い切り木の陰に隠れながら言った。 「ふぇんさん、そんなに隠れなくてもしばらくこいつは目覚める事はないっすよ」 けれどもふぇんさんは木の陰から出てこれなかった。 「それはどうかな?」 何故なら昏倒しているはずのペゼツキーがぐんと頭を動かしてテウィちゃんを睨み付けていたからだ。 「……なかなかタフネスっすね」 「それほどでもない」 ペゼツキーが言い終えるか終えないか、その刹那に再びテウィちゃんは魔法の詠唱に取りかかった。 「ま、待て! ちょっと待つべきでしょう!?」 慌てて叫ぶペゼツキー。 「い、一体何だって言うお! これ以上反抗するならもっと酷い目に遭わせるお!」 ふぇんさんが木の陰から叫んだ。 「俺が何故街を襲わざるを得なかったか、そこをきちんと聞いた上で俺を突き出すかどうか判断するべき!」 ふぇんさんとテウィちゃんは想定外の反応に思わず顔を見合わせた。 ペゼツキーは大人しく縛り上げられたままでいる。 その脇でふぇんさんとテウィちゃんはぼそぼそ声で相談をしていた。 「こんなの突き出してから考えたらいいんじゃね?」 テウィちゃんはやる気だ。 「ま、待つお! このパターンは背後に何か深いわけがあったりして、このままとどめを刺すのは物語の流れ的にまずいお!」 「そうなんすか?」 「そうだお!」 ふぇんさんが珍しく声を荒げている。 余程このパターンにトラウマでもあるのだろうか。 「そこまで言うのなら分かったっす、一応奴の話を聞いてみる事にするっす」 テウィちゃんは小さくため息をついた。 ふぇんさんがぱっと顔を明るくさせる。 「分かってくれて嬉しいお!」 「と言うわけで、お前の言い分を聞く事になったっす」 「きっと何か深いわけがあっての事なんすよね、良かったら俺らも力になるっす」 「ほうお前はなかなか解っている様だな。命は助けてやる俺は優しいからな他のやつらにも伝えてやるべき」 縛られているくせに尊大な態度だ。 テウィちゃんのこめかみに一筋の血管が浮き出たりしたのだが、ふぇんさんはそれに構わず話を続ける。 「さあ、その深い訳を言ってみるお!」」 「よく聞いてくれた。実は……」 ……ゴクリ。 ふぇんさんのつばを飲み込む音が響いて聞こえるほどの緊張感の中でペゼツキーは叫んだ。 「世 界 征 服 !」 その後。 狂ったように魔法をぶつけまくるテウィちゃんをふぇんさんは止める事が出来なかった。 と言うか、一緒になって槍で殴りまくった。 こうして村を襲った犯人は逮捕され、世界の危機もまた同時に免れたのである。 おわり。
by unnyo8739
| 2009-04-15 16:10
| 僕俺私小話
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