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太陽が眩しい。恐ろしいほどに眩しい。 そして暑い。死んでしまいそうに暑い。 時刻は午後一時を回った頃か。友人曰く、私がずっと幽遊白書を読み続けていたせいで、食事に出るのがかなり遅れてしまったとの事。 確かにそれは限りなく事実であるかもしれないが、それ以上に貴様が昼近くまで眠っていたことに関しては、一体誰が言葉を持ってくれるのだろうか。 敢えてその件に触れない私の優しさに、彼は早々に気がつくべきであろう。 太陽が眩しい。どうしてこんなに眩しいのだろう。 彼の車に揺られ、目的地であるラーメン屋へと向かう。先日の雨が嘘のように、真っ青な空が広がっている。その深い青のてっぺんにある、嫌味たらしいほど輝く太陽は、その恩恵をこれでもかというほどの大地へとばら撒き続けている。 暑い。死んでしまいそうに暑い。 こんな日に、何を好き好んでラーメンなどを食べに行かねばならないのだろう。 まったくもって選択肢を間違えたかもしれない。他にもっと涼を感じられるような食事だってあったはずだ。それが何かと問われれば、まったくそれを思いつかないのだが、きっと何かしらあったはず。少なからずともラーメンではない。 どうして自分はこんな選択をしたのか。自らの事ながら恨みを持ちたくなる。 目的地のラーメン屋は、天一などと呼ばれていた。 天下一品だか天下一武道会だか、正式な名称は忘れてしまったが、チェーン店もそこそこ出している、有名店の一つであるらしい。 その店の「こってりラーメンを食うべき」などと友人は言っているが、それって名物なのだろうか。 名物であるが故に食えといっているのだろうか。正直その真意はわからない。 そんな事よりまだ目的地のラーメン屋に急ぐべきだろう。 これほどまでに射し続ける太陽の光の下では、ラーメンよりも先に私がのびてしまう。 これまで見たこともないような奇天烈な駐車場に車を置き、早速ラーメン屋まで歩く。 かなり近い所に止めたはずなのに、どうしてこんなに遠く感じてしまうのだろうか。 五分と歩いていないはずなのだが、物凄く遠くまで歩いてきたような錯覚に見舞われる。 それもこれも、全てあの照りつける太陽が悪いのだ。 大阪の夏はやたら暑いと聞いてきたが、これはその想像をはるかに超える暑さだった。 私はとんこつラーメンと希望を言ったような気がしたが、このラーメン屋はとんこつでも何でもなかった。 別にそれほどとんこつにこだわることもないので、スルーしてきたが。 実は私はそれほどラーメンが好きではない。都内の人間などは恐ろしいほどラーメン好きだ。 年から年中ラーメンばっかり食っているような印象がある。彼らがラーメンにかけるその情熱の根源は一体何なのだろうか。私なんてラーメン屋に行っても、ラーメン頼まずにチャーハンを注文するような人間なのに。 ともあれメニューを見てみる。やはりとんこつラーメンはない。 店員が注文を取りに来たため、適当に中から選んでみることにした。そういえばこってりラーメンを食えって言われてたんだっけ。 というわけで、こってりラーメンを選択する。すると店員はこう返してきた。 店員「麺のタイプはどちらにしましょうか?」 麺のタイプだと? メニューをよく見てみると、ちぢれ麺(?)とまっすぐな麺の二種類があるらしい。 正直私はどっちでも良かったので、「適当にどっちでも」と答えたかったが、流石にそうも行くまい。仕方がないので、ちゃんと答えることにする。果たしてどちらがいいのだろう。 そもそもちぢれとまっすぐの麺の差は一体何なのだろうか。 もし仮に「ちぢれ」の方が美味い、というのであれば、最初からちぢれだけを用意するべきである。わざわざそれほど美味くないほうを残しておく理由などないだろう。 味は変わらないけど好みがあるじゃないですか、と答えが返るならば、私は問いたい。 どっちでもいい客のために、「ちぢれ麺はこんな感じ」「まっすぐなのはこんな感じ」とそれぞれの麺の効用を記すべきだろう。 とにかく、同じ味で形が違うだけの麺を選べといわれても、私には何を基準に選べばいいか、まったく分からない。 困った末、友人に聞くという選択肢にたどり着いたが、友人は友人で勝手に自分の食いたいものを決め、私の質問に対してろくな答えをよこしてこなかった。 頼りにならない男だ。 とりあえず、ちぢれ麺の方に「新しく始めました!」とあったので、そちらをチョイスする。 ラーメンが来るまで、二人雑談をしながら待っていたのだが、ふと「冷やし中華始めました」のチラシに気がつく。 どうして冷やし中華は夏にしかやっていないのだろうか。そもそも冷やし中華などという名前がついているものの、まったく中華料理でもなんでもないな。 思い立った疑問を友人にぶつけてみたが、やはりろくな返答をよこしてこなかった。 本当に頼りにならない男だ。 ほどなくして、注文したラーメンがやってきた。 早速箸を取り、麺をすくってみたのだが。 スープが何か凄くねっとりしてる。 なんていうか、例えていうなら、ちっとも薄めていない何かの原液のような。カルピスとか。 とにかく、これはスープとかそういう類のものではない。出汁、出汁の原液。 そんな感じのスープ、いや、スープモドキだ。 こってりとかそういう類よりも、ねっちょりとかそんな言葉の方がしっくりきそうに感じた。 何とも言えない気分になったが、今更どうにもならないため、思い切って一口すすってみた。 うわぁ、このラーメンおいしいなりー\(^o^)/ ほんとに美味かった。一撃で気に入ってしまった。 基本的にラーメンがそれほど好きではない私ではあったが、このラーメンは妙に気に入った。 やっぱり私、味が濃いものが好きなんだなあ。 ちなみにチャーハンも頼んでみたのだが、チャーハンはそれほど美味いと思えるものでもなかった。 ちぢれ麺の特徴もよく分からなかったが、まあよしとする。
by unnyo8739
| 2007-06-28 13:40
| 日誌叙情駄文
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Comments(2)
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