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私はここに告白する。 私は別に意図してそれをやっていたわけではなかった。 ただ、なんとなく手をつけただけに過ぎない、軽い気持ちだったのだ。 それがまさかあんな結果に結びつくなんて、誰も予想し得なかったに違いない。 私は悪くない、あれは事故だったんだ。 それはある休日の午後だった、私はほぼ日課となったHPの更新を行っていた。 確か時間は午後2時くらいだったと思う。 食事の後からパソコンの前に1時間ほど座っていた私は、 だんだんと睡魔に襲われ始めており、それを振り払うために キッチンへ、コーヒーを取りに席を立ったのだ。 すべては、それが原因だった。 大学に通うため、一人暮らしを始めて2年ほどたつ。 実家のキッチンは汚かったので、掃除は毎日欠かさない。 午後の光を取り込んだキッチンは今日も清潔に保っている。 比較的新しい建物であることもあって、元の作りもかなりいい。 それも私の自慢であった。 そう、自慢だったのだ。 あんなことあってはならないはずだったのだ。 私は日々それに気を使っていたし、それは存在しないはずだったのだ。 あってはならない、あってはならない。 だが、現実は私の目前にある、認めたくはないが、目に映るそれは現実そのものだ。 そこにはテカテカと黒光りする、しかしまったくもって不衛生な生物がいた。 全身が緊張するのを感じる、嫌な汗が流れる。 そう、そこにいたのは、存在してはいけないもの まるまると太った大きなゴキブリがいたのであった。 つづく。
by unnyo8739
| 2004-07-03 10:04
| 僕俺私小話
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