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あるテレビ番組で、「受験は必要かどうか」とかいう話で討論が行われていた。 ここ数年、毎回毎回同じような話題で延々議論しているが、 果たして彼らがいかに議論を戦わせたところで、どのような結果となるのだろうか。 仮に物凄く良いことを言ったとしても、結局何が変わるというのだろうか。 結局ただその場のみの言葉に過ぎず、そこから生まれ出でる意味などない。 そう思い、チャンネルを変えようと思った矢先。 「(勉強に)必要なのは、哲学なんです」 ずずーんときた。 彼らの言葉が世界の何一つを変えることはないだろう。 しかし、私という一人の人間の、脳内に抱いていた悶々とした屁理屈に、 一つのピリオドを打つ言葉であったことは間違いない。 そうだ、そうなんだ。 何事にも必要なのは哲学なのだ。 そこから生まれる思想が大事なのだ。 倫理観、道徳観を生み出だす源が必要なのだ。 何も心に抱くものなく勉強したところで、実に入るはずもない。 たった一つの言葉に、物凄い感動を受けた。 そしてそれは、私に一つの満足感を与え、そこで終わるものと思われたのだが。 よくよく考えたら、そもそも哲学という言葉をすんなり受け入れすぎた気がする。 そもそもどういうものが哲学なのか。 果たして私自身、それを理解して使っているのだろうか。 考えれば考えるほど、哲学というものをまるで理解していないように思えてきた。 基本に立ち返って、まずは辞書を用いて哲学を調べてみよう。 大辞林 第二版 (三省堂) てつがく 【哲学】< 〔(ギリシヤ) philosophia は知恵への愛・希求の意。 西周(にしあまね)の訳語。賢哲の希求を表すために「希哲学」と訳したが、後「哲学」とした〕 (1)世界や人間についての知恵・原理を探究する学問。 もと臆見や迷妄を超えた真理認識の学問一般をさしたが、 次第に個別諸科学が独立し、通常これらと区別される。 存在論(形而上学)、認識論(論理学)、実践論(倫理学)、感性論(美学)などの部門をもつ。 (2)自分自身の経験などから得られた基本的な考え。人生観。 「社長の経営術には一つの―がある」 私の考える哲学は、まさしく2の意味だ。 その人の理想、信念を、哲学という言葉に置き換えて考えていたと思う。 人生観、いい言葉じゃあないか。 しかし、考えたら。 人生観にしろ、理想、信念にしろ、それら全ては、 当人の頭の中にて、都合の良いように書き換えることができる。 たとえそれが言い訳であっても、自分の信念、理想だとこじつける事が出来るのではないか。 「勉強は、しない主義なんです」 それも一つの考え方ではないか。 でも、それを聞いて、「うわー、こいつすげー」とはなかなか思い辛い。 いや、違う意味では思うかもしれないが。 「逃げ口上も理念のうち」 ぶち当たった一つの思考。人間、自分に都合のいい話はすぐに思いつく。 うーん、それはいったいどうして、どうかと思う。 いろいろと考える。 とりあえず、普通で良いと思った。
by unnyo8739
| 2006-03-29 16:41
| 日誌叙情駄文
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