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たまには趣向を変えて、怖い話でも。 個人的にはたいした話じゃないが、 それでも嫌いな人は嫌いと思われるので、 一応注意してみる。 田舎にて。 盆前に田舎へと一時帰省した。ふらふらと旧友を訪ねてみたら、 久しぶりだなあと、何人かが集まって宴会となった。 しこたま飲んで帰ろうとした頃、時刻はもう二時を過ぎようとしていた。 田舎の夜は暗い。音もほとんどない。 でも夜風が気持ちよくて、あまり怖いとかそういう感情は浮かばなかった。 しばらく歩いてたら、道の先から声が聞こえてくる。 なんだろうと思って、向かってみたら男が一人、道の真ん中に倒れてる。 どうしたんだって声をかけてみると、跳ねられたんだと返事。 こんな田舎の夜道なんて誰も通らないと思い、 かっ飛ばしてきた車にでも接触したのだろう。 今救急車呼ぶから待ってろと、携帯を取り出してかけてみる。 だけども一向にかからない。いくら田舎だからって、ここらは圏外って事はない。 電話中って事もないだろう。おかしいなと携帯から顔を上げたそのとき、 倒れてた奴が立ってこっちを見てる。 その服は血まみれでボロボロなんだけど、妙なくらいまっすぐに立ってる。 寝てろと言おうとしておかしな事に気がついた。 事故の音など聞こえただろうか。 車が一台でも通った形跡があっただろうか。 それに、男は大怪我をしてるように見えて、まるで息が乱れていない。 ただ直立不動、二メートル先で俺をじっと見てる。 「俺はよう、ばらばらだしよう、痛かったんだよう」 男は鼻の詰まったような声でそういった直後、その首がつうと身体から落ちた。 ぐしゃり、と肉のつぶれる音がした。 後の事は覚えていない。
by unnyo8739
| 2005-10-21 12:24
| 僕俺私小話
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