|
何だかんだそのままスルーされてしまいかねなかった男鹿和雄展であるけれど、先日ついに突入してきた。 しかも閉館すれすれの時間に。 その後嫁と一緒に外食をしようという約束をしていたが故にその時間をチョイスしてしまった訳なのだが、おかげで中身を物凄く駆け足で回らなくてはならなくなり、ゆったりとした時間の流れるそれらを心底堪能したかと言われると、実に目を伏せざるを得ない。 ともあれ一応記念に写真を一枚だけ撮ってきた。 勿論人物は入っていない。 美術館を出ると辺りは既に真っ暗となっていた。 私は実に意識して栄養を取っているつもりなのだが、全くどうしようもない程の鳥目である。 明るいところから暗いところへと出ると、ほとんど何も見る事が出来ない。 にもかかわらず、その美術館というのも実に不親切きわまりないもので、「もう閉館だから」と言わんばかりに照明がほとんど落ちてしまっており、私は僅かにあった段差に躓きかけてしまった。 それは本当に僅かなスラローム程度の段差であったのだけれども、私のような酷い鳥目の人間を転ばせるには十分のものであり、折角いい絵を見た後だというのに気分が削がれてしまったことを記憶している。 そして私たち二人は、深夜に地元テレビ番組にてやっていた美味そうな飯のある店へと歩いていった。 店の位置は美術館から徒歩圏内にある。 が、吹き付ける風がやたら冷たく、僅かな距離であったが徒歩を選んだ事を後悔した。 さて。 予約こそしたものの果たしてどんな店であるのか分からないわけで。 勿論店の位置も正確に把握しているわけではないわけで。 しばし寒空の下、目的の店を探して歩く。 とぼとぼと15分程歩いただろうか。 たどり着いたそこにある目にした店はどう考えても居酒屋であった。 私の脳内にあったその店は、もうちょっとレストラン的なモノを想像していた為、そのギャップにどうしようもない気持ちを抱いてしまったのが正直なところだが、それを嫁に打ち明けたところでどうにもならない上に、ただ単に不毛になるだけである。 私は黙って店ののれんをくぐった。 予約こそしたものの到着した時間が18時頃と早かったせいか、他にほとんど客の気配もなく、正直予約など必要なかったのではないかと思ってしまったが、これもまた言葉にしたところで不毛だ。 ともかく、予約をしたという事実は何事にも代え難い事実な訳で、すんなりと奥の席に通される。 その店の名物というか、目玉となるのは「マグロ」であった。 マグロづくし的な料理の数々がお品書きに並んでおり、写真だけ見る限りではどれもこれも美味そうだ。 ともあれ刺身やらステーキやらを頼んで食ってみる。 なかなか美味い。 流石マグロを目玉とする店だけの事はある。 ただの居酒屋とはひと味もふた味も違う事を自負しているのだろう。 しかし、私たち夫婦の最も食べたかったものは「牡蠣」であったりするわけで。 涙目、マグロ涙目。 牡蠣、おいしかったです。 そんなわけで男鹿和雄展のチケットをきちんと使った訳なのだけれども。 件のマグロ屋で多少飲み過ぎたせいか、あるいは駆け足だったせいか。 翌日になって男鹿和雄展の事を思いだしても、ほとんど全く絵が浮かんでこず、むしろ食った牡蠣の美味かった事ぐらいしか印象に残っていない一日となったわけで。 涙目、男鹿和雄涙目。
by unnyo8739
| 2008-12-08 17:00
| 日誌叙情駄文
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||