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私は過去に眼鏡をかけていた。 現在は眼鏡のお世話にはなっていない。 コンタクトレンズの世話にもなっていない。 コンタクトレンズにいたっては、私のほうが世話をかけてやったと思う。 前にも述べたと思うが、私はかなりのドライアイであり、 コンタクトレンズなどしようものなら、 視力は上がっても物が見えなくなるという、変な状態になる。 目が開けていられなくなるほど、コンタクトを使用している間は苦痛なのだ。 そんなわけで、私は2年ほど前にレーシックという視力矯正手術を受けようと思った。 ネットにてたまたま知ったこの手術、かのウッズも受けたと聞く。 さらにサーチしてみたところ、自分の住んでいる街でも その手術を行っているところがあるという事実を掴んだのである。 いったいどれくらいの費用がかかるかだとか、適応の検査などを 行うべく、早速足を運んでみた。 そこは自宅からだいたい自転車にて10分程度の場所にあり、 まさかこんな近くに、そんなハイテクな手術を受けられる場所があるとは 夢にも思わなかった。 外見もかなり綺麗でなかなか入りやすそうである。 さすがに近代技術を取り入れた病院は一味違うと思った。 何だか神聖すら感じてしまう。 が、いつまでも外でウロウロしていては、変な人と思われかねない。 早速中に入ってみた。 受付にて恐る恐る件の手術の説明を受けたいと伝える。 もしここでこの受付の人が、その手術の事を知らなかったらどうしよう。 内部の人間にも知られていない、秘密の手術として扱われていたら、 気分は仮面ライダーそのものではないか。 そんな風に考えるも、そんなことあるはずもなく、 待合室にて待たされることとなった。 ちょっとくらいそんなこともあってもいいのではないだろうか。 そう友人に言ってみたが、完全に無視された。 しばらくして私の名前が呼ばれた。 私が通されたのは、その眼科の院長の診察室であった。 さすが近代手術だけあって、院長じきじきに診るのだなと感心する。 院長はかの「お笑いマンガ道場」の司会者の人に良く似ていた。 一度そう思ってしまうと、そうとしか見えない。 色々と説明を受けたが、「マンガ道場が何か言ってる」 程度にしか聞いていない自分に気がつく。 結局、角膜をちょっぴり切ってレーザーを当てて、 視力を調整する、程度しかわからなかった。 唯一治療費に関しては、最重要な点であるので 懐のメモ帳に押さえておいた。 どうやら保険が適用されていないらしく(当時)、 諭吉が相当数必要であることがわかった。 しかし既に受ける気満々であった為、確認程度である。 その後何度か通院し、手術を受けるに適当か検査を行う。 眼に空気を当てて眼圧を測る検査は怖い。 そして手術当日となった。 私の他にも数人がこれを受けるようで、 私は順番はその中で一番最後となった。 手術自体はそう長くかかるものではないので、 沢山の人数を一日に済ませることも出来るのだろう。 待合室にて自分の順番を待つ。他にも数名がそこにいた。 待合室にはお菓子が用意されていたが、皆手をつけている様子はない。 流石に皆緊張した面持ちで待合室での時間を過ごしている。 私は自分の好きなお菓子があったため何度か手をつけた。 自分一人ががっついているようで、ちょっと情けない気分になる。 そして時間は進んでいき、ついに私の順番となった。 予定されていた時間よりも、1時間ほど遅れての順番である。 手術着とでも言うだろうか、かっぽう着のようなものを着て 手術室に通される。 中には大きな機械があり、看護士とマンガ道場院長が私を待っていた。 「じゃあここに横になってください」 院長が言う。流石に私も緊張してきた。 まずは麻酔をしたのだろうか、目薬をいくつか点される。 世界がだんだん滲んでいく。気がつくと私の視界は真っ暗になっていた。 真っ暗になったところで、眼のあたりが何かに締め付けられているような感覚になる。 きっと眼球を固定したのだろう。 自分が見えなくて良かった、見えてたら怖くてたまらない。 やがて真っ暗な中に、紫色の光が見えてきた。 「その光を見つめててください」といわれたので、その通りにする。 ぶっちゃけ見えるものなど、その光しかないわけだが。 それ以外は真っ暗な世界である。 「はい終了ー」 何だか間抜けな一言でベッドより起こされる。 気がついたら視界が戻っていた、滲んでいて見づらいが。 例えて言うなら、寝惚けている状態に似ていると思う。 そんな状態で手術終了の記念撮影をされてしまった。 後日それを見てみると、ほんとに寝惚けた顔だったから この例えは間違いないかもしれない。 術後ストレスか、少し気分が悪くなったが、 翌朝世界が変わっていた。 そして現在。 0.01だかとかいう数字が、現在は1.5までに回復している。 ただし、夜はあまり見えない。 体質でもあったのだけど、なおさら鳥目になった気がする。 が、日々PCに向い、仕事をしていると 再び視力が下がるのではないかと日々恐怖する。 なんといっても視力の底辺、つまり底の底を 文字通り見てきた私にとって、視力が低下することは 恐怖以外の何者でもない。 現在は私が受けた手術よりも、もっと性能のいいものが出ているらしく 現在も視力に悩んでいる人は、是非にこれをお勧めしてみる。 私はこれにより、ボーナスが一気にすっ飛んだが、 眼は一生物なのだから安い投資だと思う。
by unnyo8739
| 2004-06-16 17:42
| 日誌叙情駄文
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