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というわけで。 結婚式翌日、自分の友人らを集めて飲み会をした。 式当日の飲み会は、ほとんどが会社の人々や親族であったので、 それなりに気を使わねばならず、ゆっくり食事を楽しむ事も出来なかった。 この日くらいは自分の友人らと、のびのびだらだらと一日を過ごしたい。 そんな気持ちの上からこの席を設けたわけである。 お互い仕事をしていると、会う機会というのはなかなか少なくなってしまう。 この日は本当に久々に皆に会った気がする。 大変面白かったし、また一緒に遊びたいなあと思った。 それはまあいい。 一人の友人が、へんてこな本を持ってきていた。 タイトルを見てみると、「魔女と魔法の辞典」(うろおぼえ)とある。 私「ちょ、ちょ、こんなの何に使うわけよ」 友「資料ー」 私「何の資料さ」 友「いや、書いてあるとおり呪いの」 私「まじか」 友「っていうか、んなわけねー。小説かいててさ、それの資料」 なるほど納得。でも一体どんな小説なんだろう。ちょっと気になった。 そして小説書いてるんだ。知らなかったー、今度見せろー、などと言っていたところ。 友「お前も書けばいいじゃない」 別の友人にそう言われてしまった。ありえない、それだけはありえない。 私はあくまで趣味レベルでそれらしいものを書くことはあっても、 本当の本当にそれを作り上げる事は考えていない。 確かに書くのは楽しいし、集中できる事柄である。 後十年程私が若ければ、それも考えたかもしれない。 しかし、私はあくまで趣味として楽しむレベルでしか能力を持っていないし、 それ以前につい先日結婚したばかりである。 いきなり夫が転職して、路頭に迷わせるわけにも行かないのだ。 好きであることと、仕事にする事はまるで別だ。 好きだからこそ出来る仕事と言うのも勿論ある。 好きじゃなきゃ続かない仕事と言うのも無論である。 と。 一瞬でそこまで考えてしまったわけだが、その後にハッと気がつく。 これが大昔、学生の頃であったらきっとこんな否定的な考えは持たなかったんじゃないか。 小学校二年生の頃の話である。私はそれまで絵心などまるでなかった。 しかし、たまたま金賞をとってしまったからさあ大変。 単純な小学生の友人らは、私を指して「絵が上手い」と刷り込まれてしまったのだ。 さらに恐ろしい事に、私自身もそうであると思い込んでしまったからさあ大変。 以後ひたすらに絵を描くことに没頭した。 あまりにあまりな話で単純すぎるだろう。そんなので本当に大丈夫なのか、私。 いや、むしろ現在の私の方がどうかしているのだろうか。 何事にも何処か諦めたような、割り切ったような。そんな感覚でいるのではないか。 そんなひねくれた現在の私が、どうしてそのときの私を突っ込めようものか。 人は変わっていく。時間と共に、環境と共に。 あの日の少年は、いつか大人になり、そして遠くを眺める老人となる。 けれども、その原点にある心はなかなかどうして、 そうそう形の変わっていくものではない。 身体は成長し、大人になっても、自分はいつだって自分なのだ。 大人になると、沢山の物事を知った。 沢山の物事は、自分が困らない為に、面倒だけど必要な知識だった。 でもそれを知る事で、あの日のように何かに単純に向かえなくなった気がする。 困らない為に。自分が困らない為に。 でも、ほんとはどうだったんだろうなあ。うん。
by unnyo8739
| 2006-07-04 19:37
| 日誌叙情駄文
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Comments(3)
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花たる
at 2006-07-05 03:07
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夜分遅くまでおつかれさんでしたw
オモシロイ会をありがとうw 私は賞など取ったことないが、好きだったから絵を描く仕事についたけど、会社の成長と共に作業内容にずれが出てきてて絵を描くことがすごーくすごーく減ってつまらなくなったぞぅ。。 そして、転職するか悩むわけだが・・・惰性でまだ続いているw
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unnyo8739 at 2006-07-05 10:40
環境に順ずるか、好きなことに順ずるか。
人間色々あるものだ。
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Dの人
at 2006-07-05 21:07
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