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というわけで、結局披露宴で出されたご馳走にはまったくありつくことが出来なかった。 失意落胆して控え室に帰ってきたとき、 スタッフの人に「二次会でしっかり食べてきてくださいね」と、慰められてしまう始末。 もし仮にこれから結婚式を行おうかと思う人がいたら、私からのアドバイスとして、 「おにぎり等の軽食を控え室に持っていけ」 というのを挙げておこうと思う。 披露宴と言うのは、新たな門出の二人を披露する宴ではなく、 仲人やら、友人やらのスピーチを披露する場であると思う。 そして、みんなで疲労する場所なのだ。さて、それはそれとして。 会社の上司やら、自分の友人らやらのスピーチよりも、最も重要となるスピーチ。 それは「娘から両親への手紙」である。 思うに、指輪交換、教会でのキス、ケーキカット(鏡割り)などよりも、 さらに上を行く重要度であると思う。花嫁は常に主役であり、新郎はただの付属品であるから。 彼女にマイクを差し出すと言う大役をおおせつかり、そしてそれを無難こなした。 彼女は読み始める前から泣きそうになっていた。 っていうか、前日書いているときに既に泣きそうだといっていた。 会場はしっとりとした雰囲気に包まれ、手紙を読みきった彼女に万遍の拍手が贈られた。 その後、それぞれの両親に花束の贈呈を行う。 そして次に、両家代表して私の父親のスピーチ。 やっぱり披露宴はそれぞれのスピーチで出来ている。確実に間違いない。 ああ。 面倒くさい事に、実は私もこの後スピーチを行わなければならなかった。 しかもカンペはなしである。前々に何度となく行った打ち合わせにおいて、 「なるべくカンペは使わない方向でお願いします」 と、言われてしまっていたのだから仕方がない。 だが。私は嫁のように前日に原稿を書くなどという行為はまったく行っていないのだ。 私がやった事と言えば、ただ単にFF11をちょこちょこっとプレイしただけである。 一言一句、何一つとして喋る内容などまとめていない。 だが。 実は私はスピーチ大好き人間なのである。舞台は大きければ大きいほどいい。 逆に小さい舞台の方が無駄に緊張をしてしまう。 日々ブログなどを書いているうちに、むしろ私に喋らせろ、といった感にまで辿り着いた。 そういえばウナギを書き始めた頃、何処かで同じようなネタを書いたなあ。 というわけで、適当な内容を繋ぎ合わせ、締めくくり、言葉と変える。 私の唯一の特技かもしれない。スピーチなど即興でいくらでも出来るのだ。多分。 しかも無駄に評判が良かったりして、何だか詐欺師になったような気分だった。 が。物事は程ほどにしておくべきである。 その後の二次会でも、私はべらべらと喋り倒してしまったらしい。 らしいというのは、酒を飲みすぎてまったくその記憶が失われているからである。 気がついたら朝の五時。裸で床の上に寝ていた。どうして自分がここにいるか分からなかった。 後になって嫁に聞いて、初めて自分の行いを知る。 友人からブーイングが出ようと、やたらめったら演説を繰り返し続けていたと言う。 酒に酔った挙句、自分自身にも酔っていたのである。 はた迷惑この上ない上に、下らない駄洒落にしかなっていない。 物事は調子に乗りすぎてはいけない。 何事も程ほどにすべきである。 我が身を持って思い知った。でもきっと私はまた喋るんだろうな。
by unnyo8739
| 2006-07-04 19:09
| 日誌叙情駄文
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