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「甘いわあああああ」 宮氏は自分の行いに後悔した。むしろ生きていた事を後悔した。 あんなものを見るくらいなら、まだ安らかに旅立ったほうがマシだった。 死して見る地獄よりも、生きて見る地獄の方が恐ろしくおぞましいのは何故だろう。 そこには鉄塊も蒸発するほどの恐ろしい熱線を、白羽取りしている出井氏の姿があった。 異常だ、異常すぎる。宮氏は眩暈がした。 そのまま気を失ってしまえば楽になれたのだろうが、 「おうああああああ、宮あああ、寝てねえで手伝えやこらああああああ」 たった一言でそれは打破された。 「そんな事言うても、どうしたらええんですかあ」 泣きそうな声で叫ぶ。 「んなもん知らんがな、ちょっとは自分で考ええええー!!」 むしろ大泣きした。 しかし涙は瞬間的に蒸発していった。 「あかん、もうもたん」 出井氏がふと言葉を漏らす。一瞬それが意味する事を宮氏は理解できなかった。 いや、現状自体を理解したくなかったのかもしれない。 「そぉいっ!」 出井氏は気合と共に熱線を放り投げた。熱線って放り投げられるもんやったんやー。 宮氏は新たな物理法則に感動を覚えた。 「何をぼさっとしとんねん、第二波がくるでえ!」 第二波って何ですかー。 宮氏は失われていきそうな意識と常識を必死で保ちながら問おうとした。 「!!」 しかしそれは叶わぬ事だった。 一瞬目の前の空気が揺らめいたかと思った次の瞬間に、件のメイドロボが現れたのである。 「アレを喰らって活動してるなんて、何てデタラメなのよ!」 メイドロボが叫ぶ。宮氏もまったくデタラメな出来事だと思った。 しかし同時に、お前自身も思う存分デタラメやー、と思わず口にしそうになって、 慌ててそれを飲み込んだ。 「あの程度で生みの親が倒せるかー、なめんなー!」 宮氏は理屈の意味が分からんなあ、と思った。
by unnyo8739
| 2006-06-16 16:00
| 僕俺私小話
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Comments(4)
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Dの人
at 2006-06-20 03:05
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やばい、不覚にもワロタ。
これ普通にライノベで出せるんじゃねえか? で、いつまでつつきますか? っていうか。終わりますか?
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unnyo8739 at 2006-06-20 10:17
流石に出せねえだろ。
いつまで続くかなあ、っていうか終わるのかなあ。
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Dの人
at 2006-06-21 00:10
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ちゃんと登場人物の名前を再考すれば可能かも知れぬ。
っていうか、終わらせる気ないよなw
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unnyo8739 at 2006-06-22 00:02
いや、ありえないから。
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