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日曜日の事。 20年来の幼馴染と共に食事に出かける事になった。 彼が私の地元に来るということで、何を食うかは私が決めなければならない。 毎度の事ながら何を食いに行くか迷う。一体何にしよう。 あれこれ考えたのだが、ふと最近焼肉を食ってないなと気づき、折角だからと焼肉に決めた。 しかし。 聞けばその日は記録的な寒波で、恐ろしく寒いという。 今日はもう外に出たくない。 ニュースで見た豪雪の映像が頭に浮かぶ。 あれほどの雪ならば、私の想像もつかないような恐ろしい冷気が渦巻いているのだろう。 私は南国生まれであるため、あのような雪の塊など見たことがない。 既に想像の範疇を超えている。 部屋の中はエアコンをつけ、暖かく設定しているにもかかわらず、ぶるりと身体が震えた。 このまま家に引きこもりたい。ああ、寒いのは苦手だ。 彼も彼で、「今日寒いからパス」とか言ってくれないだろうか。 「さみー、ありえねーくらいさみー」 私の期待を裏切って、寒い寒いといいながら友人はやってきた。 寒いなら家で寝てればいいのに。ふとそんな事を思ったが、ともあれ食事に出かけた。 本当に外は寒い。突き刺してくるような寒さとは、このような寒さを言うのだろう。 身体のあちこちが痛み始めた気がした。神経痛だ。 そのまま倒れそうになるが、ぐっとこらえて予定していた牛角へと向かう。 何はともあれ、焼肉といえば牛角なのだ。 しかし、牛角は行列だった。 「お前らこの糞寒いのに、店の外で行列作ってるんじゃねえよ!」 と、心の中で毒づく。決して外には漏らさない。口汚い言葉は自分を貶めるからだ。 「はい、次々」 気を取り直して次の店を探す。確かもう一軒ほど牛角が近くにあったはずだ。 唐突に思い出し、早速そちらへ足を向けてみた。 「お前らこの糞寒いのに、店の外で行列作ってるんじゃねえよ!」 さっきと一言一句もらす事無く同じ言葉を、心の中で毒づく。 仕方なく外の店を探す。あくまで焼肉に固執する辺りがフレキシブルさに欠けると思う。 しかし、男が一度決めた事は、遣り通さなければならないのだ。多分。 結局探す事、2件目の店に落ち着く事が出来た。思ったよりも早い。 最悪、このまま寂しく居酒屋に腰を下ろすんじゃないかと予想していたから、喜びも一入なのだ! それほどでもない。 酒を飲みながら、最近の事、仕事の事などを話す。 会話のネタがおっさんになってきている気がする。 もっと昔、例えば学生の頃などは一体何を話していただろう。 あの頃の私達は何を思って日々を過ごしていたのだろう。 ふと感傷に浸る。 だが、友人は焼肉を食いに来ていながら、 「ほんとは肉より魚の方がいいんだよね」とか言い始め、私もそれに激しく同意してしまった。 もう、あの日の自分に帰ることが出来ない事を痛感する。 にしても友人はよく食う。 「牛は途中でギブするけど、豚はどんどんいけるんだよね」 そういうものなのだろうか、私には理解できない。 「豚トロ、豚カルビ、あと中落ちカルビ二人前ずつね」 豚ばっかり注文していく。確かに豚も美味いといえば美味いだろう。 しかし、同じものばかり食っていたら、飽きないのだろうか。 少し疑問に感じたが、好きなものはきっと別腹なのだろうと一人で納得して、 注文した生レモンサワーに口をつける。あまり美味しくなかった。 「明日仕事で着ていくYシャツがなくてさ」 彼がそう言うので、共にドンキホーテにYシャツを買いに行き、そのまま駅へ送った。 地下鉄の入り口で「ここまででいいわ、じゃあまたな」と言われ、別れた。 ああ畜生。染みるほどに寒い。明日もきっと寒いのだろう。
by unnyo8739
| 2005-12-19 12:22
| 日誌叙情駄文
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Comments(6)
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シド
at 2005-12-19 13:33
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オイラ、最近カルビがきつぃです。
ホルモン系希望(´・ω・`)
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unnyo8739 at 2005-12-19 15:17
そういえばレバー食うのを忘れた罠。
私はレバーだけでも、別に困らないかもしれない。
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satsuki69129 at 2005-12-19 22:00
私はレバーなんて、無い方が困らない(笑)
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unnyo8739 at 2005-12-20 11:33
レバーがないと血が足りなくなるぞ。
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mrbig20000 at 2005-12-20 18:42
よさ~くが~き~をきるぅ~~♪とんトン豚~♪..........あれ.....?
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unnyo8739 at 2005-12-21 09:35
おじさんは豚食いすぎ。
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