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私は鞄を持つのが嫌いだ。 鞄などに限った話ではない、手に荷物を持つという事自体が嫌いなのだ。 だからと言って、背負うだとか、引きずるなどならいいと言うわけではない。 荷物を持つという事自体が嫌で嫌で仕方がないのである。 なんといっても私は実に体力がなく、割り箸を割るだけでも 全力を出さなければならない。ありえないくらい非力なのだ。 もし私に荷物を持てというのならば、 それは私に対する宣戦布告そのものに該当するだろう。 流石にそれは冗談として、本当に私は手に荷物を持つ事を嫌う。 だが、ちょっと外に出ると、やはり何かしらモノを買ってしまう。 むしろそのモノを買うことを目的に外出する事もある。 そうなると、いくら手荷物を持ちたくないといっても 荷物を持たざるをえなくなってしまう。 その都度宅配してもらうという手段も取れるが、 流石にマクドナルドのハンバーガーまで宅配はしてくれないだろう。 そうなってくると、嫌で嫌で仕方長いながらも、 結局手に荷物を持って移動する事となる。 普段鞄を持たないから、荷物が多くなると 非常に収拾がつかないほど両手に荷物を抱えてしまう事もある。 そのうちだんだん腹が立ってきて、荷物を放り出してしまいたい衝動に駆られるが 流石にそれを実行した事はない。 夏などは大変だ。 クソ重い荷物を両手に下げて、かんかんと照りつける太陽のもと ひいひい言いながら道を歩く、あの暑苦しさを想像してもらいたい。 まさにその姿たるや、まるで軍隊は捕虜のよう。 地獄の行軍である。地獄の亡者そのものである。 さ迷い歩くゾンビのようなものなのである。 その暑さで道に倒れようものなら、抱えた荷物が一気に飛び散り 更に収拾がつかなくなってしまうだろう。 恐ろしい、全く恐ろしい。 だが、冬はどうだろうか。 冬になると、コートを出してくる。コートにはポケットがいっぱいだ。 適当な本程度ならそのポケットに放り込んでしまえばいい。 手に、モノを持つ機会は多少であるものの減る。 しかし、時折やはり両手に物を持つ事もある。 そうなってしまうと、手袋をつけたがらない私は そら恐ろしい寒気に震えながら、いつ脱力してもおかしくないその手に鞭打って 再び地獄の行進をしてしまわなければならなくなってしまうのだ。 私は考えた。 この問題をどうやって打破していけばいいのだろうか。 もっとも理想的な解決方法は、ドラえもんの四次元ポケットであろう。 だが、この現実にドラえもんは存在しない。 もし仮にドラえもんが存在したとして、四次元ポケットなどが存在してしまえば それは輝かしい未来の道具としてではなく、 恐ろしい戦争の道具として使われかねない。 重さや何やらを気にすることなく、武器等を携帯できるのである。 こんな恐ろしい道具は存在してはいけないのだ。 いや、存在してもいいだろうが、今の人間には 持たせてはいけない代物であるのだ。 悲しいがそれが四次元ポケットの現実である。 ではどうすればいいのだろうか。 自分以外の誰かしらに持たせてしまうということも考えたが、 それはあまりにありえない事柄だ。 私が王様だか、相撲取りだかであれば、荷物持ちが側に控えていてもいいだろう。 だが、私はそんな大層な存在ではない。 むしろ私自身が荷物持ちをしなければならない立場である事の方が多い。 それゆえ荷物持ちの心情はよくわかる。 こんな酷い事をしてはいけないだろう。 モノを買わなければいいというのは、本末転倒そのものだ。 色々と考えてみたのだが、素直に鞄を持つべきであるという結果に達した。 仕方ないから買いに行ってみるか。 鞄高すぎ!絶対かわねえ!
by unnyo8739
| 2004-12-22 15:16
| 日誌叙情駄文
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