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人間一個くらいはこだわりがあると思う。 他人から見れば、物凄くどうでもいいことなのだけど、 自分から見たら、物凄く重要なこだわり。 例えて言うなら、田中さんの旦那さんのこだわりは、 風呂上りは牛乳でもビールでもなくて、絶対水を飲む、とか。 田中さんなんて人、私、知らないけど。 とにかく、何かしらこだわりがあるのだ。 「こだわりなんてない」、などと言う人間はこの際無視をすることにする。 口先ではこだわりなんてないと言いながら、物凄く 本人すら気がつかないところでこだわりがあるものなのだ。 例えば、ちょっとした癖。 あれは無意識のうちに身体がやっちゃうこだわりの1つ。 山中さんの息子さんが、貧乏ゆすりやっちゃうとことかと同じ。 とりあえず山中さんも、私は知らないけど。 私も人並みにこだわりがあり、それは実につまらないことなのだけど 私自身の目から見れば、とても気になることなのだ。 それは、ビールはアサヒにするだとか、煙草はマルボロにするだとか、 こだわりと言うよりは、好みの問題から始まって、 風呂に入ってまず最初に頭から洗うとか、洗濯物のたたみ方だとか。 そんなどうでもいいことに、妙なこだわりを発揮してしまう。 なるべくネガティブにならず、ポジティブな精神を保とうとするのも こだわりと言えばこだわりなのかもしれない。 それがしっかりできているかは別としてだが。 Aという友人がいた。 中学校のときの同級生なのだが、彼は物凄く自転車にこだわった。 マウンテンバイクで通学していたが、そういうこだわりではない。 自転車の走りにこだわったのだ。 自転車に速度計を装着させ、最大速度を更新しようと 坂道を物凄い勢いで走りぬけたこともあった。 物凄い急カーブに、相当なスピードで突っ込んでいき、 豪快に滑りこけて怪我をしたこともあるが、 そんなことはしょっちゅうである。 休日に、自分の限界を知る為と称して 仲間を連れて、100キロ近くも自転車で突き進んだこともあるそうだ。 翌日は勿論学校であるというのに。 とにかく、彼の自転車で走ると言うことに関するこだわりは 並大抵のものではなかったのである。 それはまさに尊敬に値した。 しかし、私はどうしても気になっていることがあった。 彼の自転車は、先も言ったようにマウンテンバイクである。 格好がいいのはわかる、それはわかるのだけど、 雨の日はその構造上からか、後輪が水をはねて背中が泥水まみれになっている。 もう、哀れなくらいにびしょ濡れだ。 私は彼に一度だけこう言った。 「背中泥まみれじゃん、雨の日だけでも水はねないようにしたら?」 彼はこう返した。 「かっこ悪いから嫌だ」 更に続ける。 「泥まみれになっても俺はこれで走るのだ。 こいつに乗って走る限り、俺は全く平気だぜ!」 彼は力強く言った。 びしょ濡れながら、とても輝いて見えた。 後日彼が風邪で学校を休んだけど、きっとそれは原因じゃない。
by unnyo8739
| 2004-09-17 16:53
| 日誌叙情駄文
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